提言、または質問事項 | 提言、質問事項に対する対応等 |
○樹脂や複合材料では、標準試験片の作成や試験機への取付け、評価手法の確立が困難なように思うので、製品や部品そのものについて実際の利用状態を想定したシミュレーション実験などに特化した方がより特徴を発揮できるのではないか。 | →今後の実験計画に反映して行きたい。 |
○多軸材料試験は静的な試験のみで、動的な試験は考えないのか。 | →疲労試験などの動的な試験も考えているが、現在の実験装置では動的な試験に対する耐久性等が未評価であるため、静的な試験から実施して行きたい。 |
○以前の加工機では位置と速度の制御であったがパラレルメカニズムを利用して、六軸の力、位置、速度の同時制御および各軸の個別の制御(例えば、ある軸のトルクのみを制御)は可能なのか。 | →今回各リンクに荷重センサを6個付加し、その情報から計算により六分力を算出し制御する手法を考えており、六軸同時あるいは個別に、位置、速度、力の制御を行う。本手法は予備実験で実現可能との見通しを得ている。 |
○パラレルメカニズムを利用しなければ装置がより安価にできるのではないか。 | →原理的には可能であると考えられるが、従来技術ではかえって構造が複雑になり必ずしもコスト削減にならないと判断している。ご指摘のように現状ではパラレルメカニズムの製作コストの方が高いが、共通部品が多いため、量産化されれば逆転する可能性はある。また、動的な試験時の応答性能を考えると、メカニズムが単純なパラレルメカニズムが有利であると考えている。 |
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○超微小硬さ試験という測定法の性質上、どういった対象に測定をし、どのような結果を得るのかを明確にした方がよいのではないか。 | →複合材料のようなサンプル内に不均一な材料物性が偏在する対象の測定は難しいが薄膜や微小配線などの測定については効果的であることを説明し、測定法自体の適用範囲を明確にしていきたい。 |
○補正が傾きや湾曲について行われることについて、うねりの影響も大きいと考えられるため同様に検討が必要ではないか。 | →うねりは傾斜や湾曲の複合的要素であるため、その影響は少なくはないと認識しているがまずは影響を把握しやすい個別の事象について検討を行っていきたい。 |
○硬さという尺度は工業的にはよく利用されているが応力やひずみなどから得られる他の工業的尺度との相関性などについて明らかにして欲しい。 | →本研究内容に一致するものではないが現在所内で行われている研究打合せにおいてもその話題は取り上げられており、重要であると認識している。しかしながら、硬度測定により得られる結果と他の測定法により得られる結果について多くの研究がされてきているものの決定的な解決には到っておらず、今後解明ができればと思っている。 |