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図書館活動を価値につなげる、価値を伝える

【開催報告】第481回機振協セミナー「図書館活動を価値につなげる、価値を伝える」
開催日時 2025年3月7日(金)14:00~15:30
場所 機械振興会館 会議室およびオンライン配信(Zoom)
テーマ 図書館活動を価値につなげる、価値を伝える
講師 かまくらさちこ株式会社 代表取締役 鎌倉 幸子 さん
内容 2025年3月7日(金)に現地開催(機械振興会館)とWebシステムにより、かまくらさちこ株式会社 代表取締役 鎌倉幸子さんを講師として、第481回機振協セミナー「図書館活動を価値につなげる、価値を伝える」を開催しました。当日は、全体で78名の皆さまにご参加いただきました。ご参加いただいた皆さまには、厚く御礼申し上げます。

本のデジタル化や社会の変容により、図書館の存廃のニュースも耳にするようになりました。活動が伝わりにくい図書館で、組織の価値やあり方を示し活動を正しく伝えていくことが大切だと考えます。今回は国際協力団体にて図書館事業や広報に長年携わられ、100件以上にわたるクラウドファンディングの伴走支援を行ってきた鎌倉幸子さんにお話を伺いました。

冒頭では「図書館活動を価値につなげる」をテーマにお話しいただきました。クラウドファンディングなどで支援金を集めるポイントは「なぜ活動をおこなうのか」を伝えることです。国際協力団体では長らく「社会的インパクト」の考え方が重要視されており、近年のアウトカムファンドなどでも未来への投資意識が高まっています。図書館の活動も同様に、「社会的インパクト」のロジックモデルに落とし込み、社会にもたらす成果を伝えることで外部からの評価を得やすくなります。一見難しそうな理論ですが、自身が伴走支援された被爆問題にまつわる映画制作のクラウドファンディング事例をもとに分かりやすく解説いただきました。

後半は「価値を伝える」をテーマに、シャンティ国際ボランティア会での広報活動等の経験などを交えてお話しいただきました。自らを売り込むことや継続的な信頼を築いていくことが広報。発信する際には「誰に伝えるかを意識する」ことで、伝えたい相手に届きやすくなります。鎌倉さんが初めて立ち上げた「いわてを走る!移動図書館プロジェクト」のクラウドファンディングでは、当時インターネット上でお金を扱うことへの抵抗がある中でも、目標金額を大きく上回る800万円の支援金額が集まりました。活動の中では「関係性を築く」を意識し、SNS上で双方向性の会話を行うことで、共感する人々が集まったと言います。そのほか統計データを交えつつ、それぞれの広報手段の強みを生かした戦略についてお話しいただきました。2012年、READYFORにて当時の支援額日本一位になった「陸前高田市の空っぽの図書室を本でいっぱいにしようプロジェクト」は『走れ!移動図書館』(筑摩書房)にまとめられています。さらに鎌倉さんのご活躍を知りたい方はぜひご覧ください。

「図書館活動を価値につなげる、価値を伝える」をテーマにお話しいただいた本講演は、講演前の3月5日(水)午前にて満員となり、6件の事前質問をいただき、本テーマへの関心の高さを感じました。今後も図書館をテーマにした講演会を実施いたしますので、皆さまぜひご参加ください。

※参加申込みの方へ アーカイブ配信をご案内しております。3月11日にメールにてお送りしましたが、未着の場合はお知らせください。