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「東北から見えてくる 航空宇宙部品産業の未来 -中堅中小製造業の技術を活かしたエコシステムの構築-」

機振協講演会 in 山形 東北から見えてくる 航空宇宙部品産業の未来 オンデマンド配信あり
開催日時 2024年11月26日(火) 13:00~16:50
場所 ホテルメトロポリタン山形 4階 「霞城」
テーマ 「東北から見えてくる 航空宇宙部品産業の未来 -中堅中小製造業の技術を活かしたエコシステムの構築-」
講師 東北航空宇宙産業研究会(TAIF) 事務局 斉藤 耕治 氏                                       株式会社ひびき精機 専務取締役 松山 功 氏                                       成城大学社会イノベーション学部 教授 兼 山形大学工学部客員教授 山本 匡毅 氏
内容 開会挨拶:一般財団法人機械振興協会 副会長 兼 技術研究所所長 元内閣府宇宙審議官・宇宙戦略室長 西本 淳哉
     山形県産業労働部 部長 岡崎 正彦 氏
支援事業の紹介:一般財団法人機械振興協会 常務理事 兼 事務局長  青木 朋人
総合司会:一般財団法人機械振興協会 執行理事 兼 経済研究所所長代理 北嶋 守

 2024年11月26日(火)に、機振協講演会 in 山形「東北から見えてくる 航空宇宙部品産業の未来 -中堅中小製造業の技術を活かしたエコシステムの構築-」を山形市で開催しました。開会挨拶は一般財団法人機械振興協会副会長西本淳哉、そして山形県産業労働部部長岡崎正彦氏にお願いしました。講師は、東北航空宇宙産業研究会(TAIF)事務局の斉藤耕治氏、株式会社ひびき精機専務取締役の松山功氏、成城大学社会イノベーション学部教授 兼 山形大学工学部客員教授の山本匡毅氏にお願いしました。またモデレータは、一般財団法人機械振興協会執行理事・経済研究所所長代理の北嶋守が務めました。当日は、59名にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様に、厚く御礼申し上げます。


【講演内容】

 本講演では、航空宇宙産業の現状と将来展望について、複数の専門家が講演を行った。
 講演1では、「東北航空宇宙産業研究会の活動と今後の方向性」について、東北航空宇宙産業研究会(TAIF)事務局の斉藤耕治氏が講演した。まず、2007年に設立された東北航空宇宙産業研究会の経緯と活動についての説明があり、設立当時の背景については、アメリカ同時多発テロ(9.11)により航空機需要が減り多くのサプライヤーが撤退した後、航空機需要が回復したことで、新規のサプライヤーにとって参入のチャンスが出来たとした。コロナ禍から回復後の現在は設立当時と状況が似ており、新規のサプライヤーにとって参入のチャンスがあると解説した。
 講演2では、「わが社における航空宇宙関連部品事業への挑戦」と題して、株式会社ひびき精機専務取締役の松山功氏が講演し、自社の半導体製造装置部品製造事業と宇宙関連事業への展開について説明した。その講演の中では、IoTやICTを活用した生産性向上の取り組み、グローバル5Gの工場導入、スマートファクトリー化などの先進的な取り組みが紹介され、宇宙ビジネスへの参入や国際展示会での活動についても言及された。
 講演3では、「東北地域における航空宇宙部品産業エコシステムの構築に向けて」として、成城大学社会イノベーション学部教授 兼 山形大学工学部客員教授の山本匡毅氏が登壇した。山本氏は、航空宇宙産業の構造と台湾の航空機産業の最新状況について報告した。先ず航空産業については、ボーイング、エアバス、エンブラエルを寡占トップとし、多数のサプライヤーが取引する階層構造にある。またサプライヤーにとって、航空機部品の取引は比較的受注数量が多く厳しい品質保証が求められる傾向にある。その一方、宇宙産業ではロケット開発企業の他、人工衛星開発企業や宇宙ベンチャーが参入している。この分野の部品産業は、品質保証は厳しくない傾向にあるものの少量生産である。次に、現地調査を行った台湾の航空機産業については、多数のサプライヤーが存在し、これらのサプライヤーの多くはAIDC(漢翔航空工業股彬有限公司)との取引が契機となり航空機産業へ参入していたが、現在はAIDCのみならず海外との直接取引を行っていることが分かった。東北地方における航空宇宙産業のエコシステム構築に向けた提言としては、航空機産業では認証取得が必須であることや精度の高い契約書の締結が重要であることに加え、競争力強化のために一貫生産体制を敷くこと、宇宙産業では認証が求められないケースが多いものの現状では参入企業が少ないので新規参入企業の開拓が求められるとした。

 講演後はパネルディスカッションが行われ、航空宇宙部品に求められる技術・材料に関しては、3Dプリンターや溶接技術は品質保証が難しいため広く用いられていないことや、民間航空機では軽量化のためCFRP(炭素繊維複合材料)の使用が増加する傾向がある一方、防衛関連は比較的保守的な材料が使用され、宇宙分野では多様な材料が使用されるなど、分野により違いが見られることが議論された。さらに、ひびき精機の取り組みに関する質問が相次ぎ、航空宇宙分野への進出にあたって組織体制や管理方法、ルールの変更が必要だったことの他、若手人材の採用に向けて、職場の先輩に聞きやすい環境作りや地域イベントや学校との連携を通じて採用活動を行っていることが紹介された。
 最後に、機械振興協会支援事業について一般財団法人機械振興協会常務理事兼事務局長の青木朋人より紹介があり、本講演会は盛況裏に終了した。

 ご共催いただきました山形県並びに山形市、公益財団法人やまがた産業支援機構の皆様、ご後援いただきました東北航空宇宙産業研究会の皆様、当日ご参加いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

(一財)機械振興協会副会長 西本淳哉 挨拶の様子

(一財)機械振興協会副会長 西本淳哉 挨拶の様子


山形県産業労働部部長 岡崎 正彦 氏 挨拶の様子

山形県産業労働部部長 岡崎 正彦 氏 挨拶の様子


東北航空宇宙産業研究会(TAIF)事務局 斉藤 耕治 氏 講演の様子

東北航空宇宙産業研究会(TAIF)事務局 斉藤 耕治 氏 講演の様子


株式会社ひびき精機 専務取締役 松山 功 氏 講演の様子

株式会社ひびき精機 専務取締役 松山 功 氏 講演の様子


成城大学社会イノベーション学部教授 兼 山形大学工学部客員教授 山本 匡毅氏 講演の様子

成城大学社会イノベーション学部教授 兼 山形大学工学部客員教授 山本 匡毅 氏 講演の様子


パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

一財)機械振興協会常務理事兼事務局長 青木朋人 支援事業紹介の様子

一財)機械振興協会常務理事兼事務局長 青木 朋人 支援事業紹介の様子


会場の様子

会場の様子





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【講演1 資料】



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【講演2 資料】



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【支援事業紹介 資料】