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「脱炭素時代における地域の取り組みと中小企業の可能性」

『機振協オンライン講演会in飯田』開催のご報告
開催日時 2022年11月18日(金)13:30-16:00
場所 WEBシステムにより開催(Zoom)
テーマ 「脱炭素時代における地域の取り組みと中小企業の可能性」
講師 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課長 能村幸輝 氏                   飯田市 市民協働環境部 ゼロカーボンシティ推進課 副参事 田中克己 氏                     おひさま進歩エネルギー㈱ 代表取締役 菅沼利和 氏                       松本大学総合経営学部 教授 兼村智也 氏       
内容  本オンライン講演会は、機械振興協会の地方講演会として開催されたものです。開催当日は、83名のご参加を得ることができました。講師の方々、ご参加頂いた方々には心より御礼申し上げます。

【講演内容】

開会の辞
 機械振興協会経済研究所所長 林良造

【基調講演】
  経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部
                  新エネルギー課長 能村幸輝氏
 「再生可能エネルギーを巡る政策動向――第二章へ:
              『地域と共生した』再エネの最大限導入」

【講演1】
  飯田市市民協働環境部ゼロカーボンシティ推進課副参事 田中克己氏
 「ゼロカーボン社会に向けた飯田市の取組み」

【講演2】
  おひさま進歩エネルギー株式会社代表取締役社長CEO 菅沼利和氏
 「地球温暖化を防止する自然エネルギー事業による地域づくり」

【講演3】
  松本大学大学院総合経営研究科教授・
          機械振興協会経済研究所特任フェロー 兼村智也氏
 「拡大する再エネ事業と機械産業の役割――
                中小企業の小水力発電への参入可能性」

【パネルディスカッション】
 パネリスト
  飯田市市民協働環境部ゼロカーボンシティ推進課副参事 田中克己氏
  おひさま進歩エネルギー株式会社代表取締役社長CEO 菅沼利和氏
  松本大学大学院総合経営研究科教授・
          機械振興協会経済研究所特任フェロー 兼村智也氏

 モデレーター
  機械振興協会経済研究所所長代理 北嶋守


閉会の辞
 機械振興協会事務局長 鶴岡正道


【講演の概要】
【基調講演】
 はじめに、本講演会の前提条件となる「再生可能エネルギーを巡る政策動向」について、経済産業省から報告があった。具体的には、①カーボンニュートラル・エネルギー基本計画、②「地域と共生した」再エネの最大限導入(電源、系統、再エネ分野での産業化・人材育成)に関する内容であった。

【講演1】
 つぎに、地域社会の脱炭素化に積極的に取り組んでいる飯田市より事例報告があった。具体的には、①飯田市の概要、②環境政策の骨格=「環境文化都市」宣言、③環境モデル都市・ゼロカーボンシティ、④太陽光発電の普及(メガソーラー含む)、⑤地域環境権条例によるエネルギー自治の推進、⑥小水力発電の取組、⑦脱炭素先行地域(第2回)選定:地域マイクログリッドの構築への挑戦等について報告があった。

【講演2】
 つづいて、飯田市で自然エネルギー事業による地域づくりに取り組む地元中小企業より、①おひさま発電所(市民発電所)の始まり、②事業展開(「南信州おひさまファンド」)、③地域環境権条例、④2020~2021年のトピックス(飯田まちづくり電力・第1号ファンド・環境学習)、⑤これから目指すもの(~2030年)について報告があった。

【講演3】
 最後に、松本大学の兼村氏より、地域の中小企業が再エネ事業に参入する可能性について、小水力発電事業の事例をもとに報告があった。具体的には、①なぜ小水力に着目するのか、②小水力発電の定義、③小水力発電に必要な設備、④国内主要メーカーの概要、⑤新規参入がみられない理由、⑥拡大傾向にある輸入水車、⑦参入する中小企業の特徴に関する報告があった。

【パネルディスカッション】
 パネルディスカッションでは、モデレーターの北嶋から各パネリストに対して、ポストFIT制度の取り組みと今後の分散型電源・小水力発電に関する意見を求めた。田中氏からは、エネルギーの地産地消や自家消費に関する住民合意の形成が重要であるとして、定量的問題だけでなく定性的問題を含めた議論が不可欠であるとの指摘があった。また、菅沼氏からは、候補地の調査費用や建設コストの高い小水力発電の困難さを指摘しつつ、分散型・地域密着型の再エネ発電が地域づくり・経済循環につながるという可能性が示唆された。そして兼村氏からは、市場規模の拡大と事業主の小水力事業への積極的な参画がポストFIT制度において不可欠であり、経営者の参画を促すための普及促進活動が産業育成にもつながるとの指摘があった。
最後に、鶴岡正道事務局長より、閉会の挨拶が行われ、オンラインシンポジウムは盛況裏に終了した。





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