機械振興賞　受賞者 業績概要詳細

　本技術は、高温に加熱した鋼素材を熱間圧延により加工した直後に、種々の冷却速度で冷却することにより鋼の特性を広範囲に制御する加速冷却技術に関するものである。加速冷却は、優れた特性を有する鋼材の創生を期待されてきたが、冷却における温度の不均一、及び冷却能力の不足により、加速冷却が適用できる範囲に限界があった。本技術は、熱間鋼材の冷却過程で生じる冷却不安定を排除し、かつ理論限界までの超急冷速を実現可能とした画期的な技術であり、はじめに厚鋼板製造ラインへの適用を実現し、その有効性を確たるものとしてから短期間に、形鋼、熱延鋼帯の製造ラインにも適用された。本加速冷却技術は、その効果をいかんなく発揮し、ユーザーの極めて高いニーズを満足する鋼材製品を生み出すことを可能とした。