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機械振興賞 受賞者 業績概要詳細

舶用4ストロークアンモニア燃料機関の開発

企業名:株式会社 IHI原動機
所在地:東京都千代田区
推薦団体:

2023年に開催された国際海事機関の会議で2050年頃までの国際海運の地球温暖化ガス排出を実質ゼロにすることが合意され、化石燃料からアンモニアなど低CO2燃料への転換が求められている。しかし、アンモニアは着火性が低く層流燃焼速度も遅いことから燃焼制御が難しく、毒性の問題や燃焼で発生するNOx やN2O の排出抑制も課題であった。本業績では、基本的な燃焼特性データの収集から開発を開始し、4サイクルエンジンとして動作させるための条件を見いだして、世界初のアンモニア燃料で駆動する船舶用エンジンを開発した。本開発では、予混合マイクロパイロット着火方式により、難燃性のアンモニア燃料においても安定した着火と燃焼を実現した。また、空気過剰率の適切な制御により、完全燃焼を促進し、燃焼の安定性を向上させるとともに、N2Oの排出抑制を実現している。さらには、排気後処理装置を組み合わせることで、燃焼後の排ガスから有害物質を効率的に除去し、船舶の排ガス規制としては、最も厳しい基準の一つであるIMO NOx TierⅢ規制値以下に抑制した。これらの技術により、温室効果ガス発生をディーゼル運転と比べて90%削減し、2025年5月に開催された国際燃焼機関会議(CIMAC Congress 2025)にて、CIMAC会長賞を受賞するなど持続可能な社会の実現に貢献する技術基盤を構築した点を高く評価した。