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機械振興賞 受賞者 業績概要詳細
厚鋼板の高品質化を実現した連続鋳造の凝固完了位置自動計測装置
企業名: | JFEスチール株式会社所在地: | 東京都千代田区 | 推薦団体: | 一般社団法人 日本鉄鋼協会 | |
天然ガスの需要増加に伴い、パイプライン用鋼材の品質向上が求められている。パイプライン用鋼材は連続鋳造で製造される際、外側から徐々に固まる過程で、中心部に鋼材に加えられた添加物が集まる「中心偏析」が発生する場合がある。中心偏析が生じると、天然ガス中に含まれる硫化水素が鋼材内部に侵入し、中心偏析部に集まった水素ガスの圧力で鋼材の割れが発生する危険が高まる。 本業績では鋳造中の鋼材に電磁力により非接触で超音波を発生させ、超音波の縦波と横波の伝播状況で凝固完了位置を正確に把握する測定装置を開発した。センサー部には特殊な配列でネオジム磁石を並べて強力な磁力を発生させ、かつコイルに大電流を印可することで、鋼材に超音波を発生させている。また、超音波には周波数変調を掛けた波形を使用し、レーダーに用いられるデジタル信号処理を用いて、S/N比と時間分解能を向上させている。これ等の技術により凝固完了位置の計測と、所定の場所で鋼材を凝固させる制御が可能となり、鋳片引き抜きローラーの圧力を適切に付与することで、凝固直前の添加物が濃くなった溶鋼の中心部への流入を防ぎ、中心偏析を改善した点を高く評価した。 |