機械振興賞　受賞者 業績概要詳細

熱延鋼板の品質最終調整となる調質圧延工程では、平坦度や強度調整、降伏点伸びの解消をしつつ生産性の向上のための高速化が求められる。従来は、圧延ローラーの左右の隙間間隔や圧力の調整を測定値に基づきフィードバック制御やフィードフォワード制御を用いて調整していたが、圧延速度を上げると、平坦度が劣化したり、蛇行現象が発生したりしていた。本業績では、最適制御を導入し目標とする鋼板の伸び率を許容範囲内で適宜可変する手法などを用いて平坦度を向上し、圧延速度の加減速による伸び率変動を抑制するフィードフォワード制御、高速圧延時の蛇行抑制制御を取り入れ、世界最速の800m/minを実現して生産性を高めた。