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調査研究報告書 詳細

研究開発ファイナンス型ビジネスモデルの構築を!―新規機械技術の実用化促進に係わる課題と対策―

報告書No. H15-3
発行年月 : 平成16年3月



Ⅰ.主要目次
第1章  問題意識
1.はじめに
2.既往の議論と問題点の整理
3.作業仮説
第2章 調査研究の内容と方法
1.機械工業の研究開発投資に関する財務データ分析
2.機械工業の研究開発実態に関するヒアリング
第3章 調査研究結果
1.財務データ分析─指標の推移
2.ヒアリング
3.まとめ ─ 仮説の検証と展開
<証言> 光通信用デバイス研究開発実用化にみる社会環境変化
第4章 研究開発力強化のために
1.企業における基礎研究の重要性
2.研究開発ファイナンス型ビジネスモデルの構築を!
3.大学学部/修士におけるMOT教育の奨め
4.産学連携へのファイナンスにおける一提案
5.終わりに─豊かな小宇宙を
資料編

Ⅱ.概要
 機械工業を始め製造業における研究開発投資効率の低下と、それによる国際競争力の低下が懸念されている。本調査研究は、機械工業における研究開発効率の低下について、その事実確認を行うとともに、事実であった場合の対策について検討を行うために実施した。具体的には、まず既往の議論と分析手法に関する資料文献を収集、整理、分析し、その傍ら、機械工業における研究開発投資と財務指標の関係を把握するため、日本政策投資銀行設備投資研究所の協力を得て、機械工業21業種の財務統計データを分析した。また、これと併行して、主要メーカーにおける研究開発実態につきヒアリング調査を実施した。その結果、①研究開発投資の効率低下に関する議論は90年代の特殊状況を踏まえていない、②効率低下があったとしても限られた業種で起きたことである、③研究開発投資が収益を圧迫しているのではなく、収益悪化が研究開発投資を圧迫しており因果関係が逆である、④機械工業の「創造業」への進化が続いている等の事実を確認できた。これら調査研究結果を踏まえ、①創造業への進化をいっそう促進するために研究開発への十分な投資が必要である、②そのために研究開発への再投資の仕組みを強化すべきであり、「研究開発ファイナンス型ビジネスモデル」の構築が重要である、③政府においては、企業内ファイナンスの困難な基礎研究開発を支援すべきである等を提言として盛り込んだ内容になっている。