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調査研究報告書 詳細

環境経営における“見える化”の実態と戦略経営の課題

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報告書No. H18-4
発行年月 : 平成19年3月



【主要目次】

第1章 要約と調査概要
第2章 「見える化」の概念:その実現のための枠組み
第3章 環境経営の「見える化」の現状分析
第4章 PDCAサイクルと「見える化」
第5章 創発された「見える化」の現状と課題
第6章 環境経営における「見える化」を継続する人事評価
第7章 エコ・イノベーションにおける「見える化」の活用と課題
第8章 まとめ

【概要】 

 本調査研究は、平成18年度「機械関連企業における環境経営の“見える化”に関する調査研究」の一環として実施したものである。

 京都議定書の数値目標のクリア、RoHS指令への対応、各種リサイクルへの対応といったように、最近のわが国製造業を取り巻く環境問題は、重要性の認知から実行の段階へと移行している。経済性と社会性を両立させながら、環境配慮の製品開発や生産工程の革新といった成果(エコ・イノベーション)を生み出していくには、従来の発想を大胆に転換し、新たなアイデアを組織内で創造していくような活動、つまり組織学習が生起することが必要になる。近年、業務改善、問題解決の手法として「見える化」という概念が提示されている。理念や個人の発想・アイデアといった目に見えない概念を、現場の社員一人ひとりの目に見える形で提示していく“見える化”を活用することで、組織的な学習を生起させることができるのではないだろうか。

 このような問題意識のもと、本調査研究の目的として、(1)環境経営における“見える化”手法適用の実態を把握すること、(2)環境経営における“見える化”を成功させる要因を抽出することの2つを設定した。調査方法としては、ヒアリング調査(大手企業3社)を実施し、定性的な実態を把握するよう努めた。その結果、見える化には、従来のPDCAサイクルに準拠する上からの見える化と組織のボトムからアイデアが湧きあがってくるような創発された見える化が存在すること、現状では上からの見える化が中心になっているが、問題の性質によっては創発された見える化が必要になってくること、それを成功させる要因として、評価や結果の見える化を実現する人事評価のあり方、部門や地域を超えた連携、信頼醸成の必要性といった戦略経営の課題が指摘された。