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調査研究報告書 詳細

光電エネルギー変換半導体の産業生態系養生に向けて―電光による固体照明と光電による有機系太陽電池から成る新産業―

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報告書No. H20-4
発行年月 : 平成21年3月



【主要目次】

趣旨、範囲、視角 :「光電エネルギー変換半導体」とその産業生態系養生に向けて

第1章 有機発光ダイオード(有機EL)による「新しい光」照明

第2章 無機発光ダイオードによる固体照明

第3章 太陽電池と同製造装置 ― エネルギーハーベスティングに向けた有機系の挑戦

第4章 提言

【概要】 

 わが国技術蓄積を活かした「新しいエネルギー関連半導体」が、資源エネルギーや温暖化対策の制約の下でこそ、嘱望される。一例は、発電等の方面に向けた再生可能エネルギー/新エネ分野と、反対に省エネ方面に向けた半導体である。ここでは後者の省エネ照明に資すところの、電→光変換素子である発光ダイオード(有機、無機LED)を中心に、さらに前者(新エネ)の光→電変換に向けた太陽電池を併せ、広義の「光電エネルギー変換半導体」と呼び、この新しい半導体産業の生態系を養生すべく、企業・大学・政府等が、それぞれに取組むべき点を提言した。
 具体的に政府は、光電エネルギー変換半導体に対し、新興の材料である有機材を用いたエレクトロニクス素子の探索・実用化を加速すべく、省エネ視点から有機LED(OLED、有機EL)による新しい光照明を、そして新エネ視点から色素増感その他有機太陽電池を、それぞれ産学官を結集したグローバル研究拠点整備等で支援すべきと提言した。
 そしてOLED照明は2テーマ並行案を提言した。1つは、ガラス基板上の低分子蒸着による一般照明代替型新照明、2つ目はフレキシブル基板上の低分子塗布を探る超低コスト照明である。
 色素増感その他有機太陽電池も、色素増感型は実証フィードバックを狙う型、有機半導体薄膜型は文部科学省等と連携した基礎的研究に重点を置く型の2タイプを提言した。
 無機LED照明では、既に商品化が済んでいることから、政府・企業は市場拡大を促進する各種規格・測定標準・認定制度充実に一層戦略的に取組むこと、日系企業群はおおよそ2グループに集約すべきことを提言した。