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調査研究報告書 詳細

機械系企業の事業基盤の変化と対応―中堅・中小企業の多角化の視点から―

報告書No. H8−5
発行年月 : 平成9年4月



Ⅰ 主要目次
第1章 機械産業の構造転換と中堅・中小企業の役割
第2章 工作機械産業の環境変化と経営の多角化 
工作機械企業の多角化事例(M社、S社、SS社の事例)
第3章 建機・運搬機械産業の環境変化と経営の多角化
建設・運搬機械企業の多角化事例(S社、N社の事例)
第4章 電機・電子機械産業の環境変化と経営の多角化
電機・電子部品企業の多角化事例-その1(C社、H社、Y社の事例)
電機・電子部品企業の多角化事例-その2(T社、K社、N社の事例)
第5章 自動車部品産業の環境変化と経営の多角化
自動車部品企業の多角化事例-その1(T社、IZ社の事例)
自動車部品企業の多角化事例-その2(IN社、S社、Y社、M社の事例)
 
Ⅱ 概要
 最近のわが国機械産業は、設備投資の回復や消費支出の増大、さらに、1996年以降の円高修正に伴う輸出競争力の回復に伴って電気機械産業を中心に好調な需給状況にあり、機械企業の経営状況はこうした内外市場の動向やバブル崩壊後の厳しいリストラへの対応によって一段とその収益性を高めている。
 このように、最近の機械産業・企業の需給や経営状況はかなり良好な内容になっているが、これを中・長期的にみると必ずしも楽観できない。それは多くの機械企業で主力製品・事業の成熟化が進み、また、かっての継続的な円高に伴う海外生産シフト拡大、海外調達の増強などといった機械企業のグローバル戦略の下で、中・長期的には構造調整という大きな変革を余儀なくされ、事業基盤に対する深刻な影響が懸念されている。
 経営資源が相対的に豊富で、かつ、製品・事業領域が広い大企業では構造調整の波を乗り越えることはそれ程困難なことではない。しかし、経営資源や事業領域に制約される中堅・中小企業ではそれに伴って直接その事業基盤が弱体化し、ひいては21世紀に向けてわが国機械産業が健全な発展を確保する上で大きな阻害要因になる可能性も大きい。
 本報告書は、こうした構造調整の下で21世紀に向けてその事業基盤を強化するため、経営多角化に取り組む機械系中堅・中小企業のヒアリング調査(対象業種は一般機械企業、電機・電子機器・部品企業、自動車部品企業-17社)を行い、経営多角化の主な背景や狙い、新たな市場開拓や技術開発への取り組みの状況、さらに、事業化に対する主なポイントや課題などについて把握し、取りまとめたものである。