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調査研究報告書 詳細

半導体産業における新たな土俵づくり―競創プラットフォーム、スピンアウトの創出とWin-Win関係構築―

報告書No. H13-8
発行年月 : 平成14年5月



Ⅰ.主要目次
第1章 活力ある半導体産業の「場」を目指して - ビジョンと課題
第2章 標準としての競創プラットフォームとその活用展望 - ASPLAについて
1) 時期別の考慮
2) コアとなる競創プラットフォームの経営と展望
3) 周辺コンソシアムの再位置付け
4) プラットフォームを活かすためのマスクHub等
5) プラットフォームを生かすためのITプラットフォーム等
第3章 残された取組み課題
1) スピンアウトベンチャー等外部経営体の創出と活用
2) 地方発クラスタ政策等との有機的リンク強化
3) 解析研究センター等中央研究所機能の再編集約
付属参考資料 IDMからのスピンアウトベンチャーについて
Ⅱ.概要
 日本の「場」で半導体産業活動が活発に行われ、世界的な魅力(吸引力)と発信力が具わるために必要な事項を整理した。
 まず、各社レベルで、強み創出に向けて、連携・事業部間合併・合弁等のグループ化(精鋭化)、完全外部分社化(自立専業化)等を実質的メリットを考慮しながら加速することが必要であると思われる。 また、業界レベルの構造改革も加速する必要がある。今後、わが国に残る外販一貫半導体メーカーは、フットワークを軽くして事業展開スピードを高め、変動費化事業構造を具現することが必須である。そのため各社差別化に直結しない技術活動を、システムLSI競創プラットフォームとして外部共通化・標準化し、かつ活用する態勢が重要である。
 標準プラットフォームの中心は、技術ロードマップに記述されるような共通的プロセス技術、及びプロセス技術に連なる設計周りの技術から成り、またプラットフォームは、中心部分のほか、周辺部にマスクHubや、ITプラットフォームを形成し、活用を促進する態勢がさらに必須であると思われる。加えて、基礎的な解析技術等、現在までカバーされていない中央研究所活動領域を、外部集約化するための仕掛けも必要であると思われる。
 特定のプラットフォームは、個別に厳密に限界づけられねばならないが、各社はさらに、社内業務でコストセンターとなっている活動を、外部スピンアウト等市場化し、個別に集約化し、外部化した活動主体と残された各社の間で相補的関係(Win―Win)を築く必要があると思われる。また、現実に日本の「場」を考えると、地理的考慮も必要であり、設計等一部特定機能は、地方クラスタとして集積効果を追求するのが適切ではないかと提言している。