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調査研究報告書 詳細

混迷するユニバーサルデザインの実態と今後の方向性

報告書No. H13-6
発行年月 : 平成14年5月



Ⅰ. 主要目次
1. はじめに
〈概要編〉
2. ユニバーサルデザインの概念
3. 消費者行動と企業の商品開発戦略
〈実態編〉
4. ユニバーサルデザイン製品普及の実態
5. 生活者が感じる身の回りの不便さとユニバーサルデザインへの期待
6. 家電メーカーにおけるユニバーサルデザインの取り組みと課題
7. 行政におけるユニバーサルデザインの取り組み状況 ― 自治体を中心に
8. ユニバーサルデザイン促進のための周辺状況
〈将来展望編〉
9. モノづくりにおける新たな発想の展開
10. 中小(ベンチャー)企業における新たな視点
〈提案編〉
11. ユニバーサルデザイン普及に向けての提案とまとめ

Ⅱ.概要 
 本報告書は、生活に密着している製品(特に家電製品など)について、1)企業の製品開発におけるユニバーサルデザイン(以下UD=誰にとっても使いやすいというコンセプト)の取り入れの実態や問題点を踏まえた上で、2)UD製品の今後の普及促進に向けての方法や広い意味での支援体制調査(社会におけるUD製品普及促進のための支援体制、企業におけるUD製品開発促進のための支援体制)、3)単に"供給されているだけの製品"ということではなく、いわゆる"売れる製品"など企業利益の向上をもたらすための企業戦略・企業業績への関与と影響と普遍化できるUD製品の成功パターンなどを、研究者や実務者などの有識者によって構成された委員会を設置し、先進事例のヒアリング調査によって取りまとめたものである。
 具体的には、わが国における最近のUDを取り巻く動向は、さまざまな分野で認識されつつあり、"混迷" の度合いを深めているが、またそれらが互いに機能しながらUDの社会的広がりを促進している状況である。しかし、いまだ企業側と需要側に需給のギャップも存在していることを踏まえ、1)需要側との密接な関係や需要側に立った戦略の必要性、2)業界の中での共通化できる部分、3)企業内での規準作りとその展開、4)行政などの主導による上からの変革ではなく下からの必然と改善による変革、5)企業や公的研究機関におけるデータ蓄積とその利用、6)細切れ的な動きではなく連続性かつ連携性のとれた社会的広がり、などの必要性が明確になっている。