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調査研究報告書 詳細

機械情報産業におけるハード・ソフト・サービスの統合

報告書No. H14-5
発行年月 : 平成15年3月



Ⅰ.主要目次
第1章 機械産業における「ソルーション・ビジネス」
第2章 日本の機械産業のサービス化:国際競争力の視点からの検証
第3章 メカトロニクス機器の発達 - 第3のサービスに向けて
第4章 機械情報産業としての新たな展開 - アンケート調査分析:
「機械産業におけるソフトウェアまたはサービスとの関連について」
第5章 事例調査:ソフトウェアまたはサービスとの統合事業での先行企業
       GE/IBM/三菱重工業/日立建機/SAP/三浦工業/ダイキン工業
まとめ 機械情報産業におけるハード・ソフト・サービスの統合
講演資料
付属資料 アンケート調査票/アンケート単純集計結果

Ⅱ.概要 
 
日本の機械情報産業の競争力・収益性の向上のための方策の1つとして、機械情報産業におけるソフトウェアまたはサービス事業との統合が注目されている。
米国のGEやIBMの成功例がよく知られるが、日本の現状は明らかでない。そこで、本調査ではアンケート調査及び先行事例調査を通じて、ソフトウェアまたはサービス事業への取り組みの実態把握、また成果を出すために必要な課題について検討した。機械とソフトまたはサービスとの関わり方には、機械に組み込まれて提供されるものと、機械とは別に提供されるものとがあるが、今回の調査では最近注目されている後者の分野を主に調査した。
今回のアンケート調査結果から、業種によっても差があるものの、全体として競争力・収益性の向上また新たな事業機会としてソフトウェアまたはサービス事業に関心・期待をもって取り組んでおり、ほぼすべての企業が競争力・収益性に成果があるという認識が示された。当然ながら「ハードの競争が厳しいからソフトまたはサービスにシフト」というだけでは成果に結びつかず、取り組み方次第で収益性が高い企業とそうでない企業に分かれることも明らかになった。
ITの飛躍が新たなニーズをもたらすことを察知し新たな事業機会とし、あるいはITインフラの活用によって新たな事業を開発し成功しているのが先行事例である。先行事例調査から、自社のコアを見極めた戦略の明示、もの作りとは異なる要素をもつソフトまたはサービス事業で成果をあげる取り組み、またハードとの相乗効果が重要であることなどが示された。つまり、ソフトウェアまたはサービス事業では、顧客の支払う対価に見合う専門性・稼動保証・コスト競争力などの提供が求められる。こうした顧客ニーズの充足・メリットと同時に、提供する側の収益・メリットの両方を最大化する仕組みの開発や裏付けがなければ成果があがらない。これについても先行事例ではITを組織的に活用し、モニタリング等によるニーズの先行把握、利用技術の開発、カスタマイズと標準化での対応ノウハウの蓄積、人材確保などをグローバルに実現している。保有する知的資産を活用すると同時に、それをさらにITを活用して組織的に高度化(進化)させ続け、ソフトウェアまたはサービス事業との統合による成果をあげる仕組みを構築していく必要がある。