調査研究報告書 詳細
機械情報産業のサービス化―ハード・ソフト・サービスの統合(2)―
報告書No. H15-5
発行年月 : 平成16年3月
Ⅰ.主要目次 | ||
はじめに | ||
第1部 統計からみる機械情報産業のサービス化 | ||
第1章 企業活動基本調査を用いた機械産業のサービス化の統計的把握について | ||
第2章 機械保守(サービス)の現状:国勢調査による就業構造からの推計 | ||
第2部 機械企業におけるサービス事業の取組み | ||
第3章 機械メーカーにおけるサービス事業への期待と現状 | ||
第4章 機械情報産業におけるサービス化の可能性 | ||
1.日本工作機械産業におけるサービス事業展開の可能性 ―汎用機メーカーと専用機メーカーの対比にみるNC化とサービス化の相関 |
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2.金型産業におけるサービス事業 ― 2つの事例紹介 | ||
3. IT製品分野におけるサービス化の進展と企業の対応 | ||
第5章 サービス・ソフト事業の戦略的な収益事業化 | ||
第3部 参考資料 A.参考事例:16社、B.参考記事:5件、C.参考データ:14社 |
Ⅱ.概要 日本の機械情報産業の活性化方策の1つとして注目されるサービス事業(ソフトウェアを含む)について、前年度の調査結果を踏まえて、今回は機械情報産業のサービス化の統計的な把握、内外の新たな動きの把握、資本財メーカーのハード・サービス事業統合の実態調査を拡充・実施した。調査の結果、機械情報産業全体ではサービス事業の比率はごく限定された範囲にとどまり、連結ベースで見る必要があること、個別企業(連結ベース)では、売上・従業員数に占めるサービス事業の比率が高い企業があり、売上高の伸びまた利益率でもサービス事業が高い成果を示している企業が内外にあることが確認できた。また保守に関わる就業者(修理工で代替)の分布状況から、一般機械には広くユーザー産業に対する支援サービス提供の機会が見込まれることを示した。むしろ、経営環境の変化で顧客は機械の所有よりも機械の利用=サービスを求める例も出るなどサービス事業の重要性が増しており、資本財メーカーはハードとサービス事業とを統合して売上・利益を確保する必要が増している。約20社のヒアリング調査によると、サービス事業の内容は多様で、従来からある「基本サービス」に加えて、機械利用の高度化を支援する「高度化サービス」、他社製機械や周辺機械を一括対象としたり、保守以外に操業までも代行したり、機械を販売するのでなく機械の機能やサービスを提供する(アウトソーシング)などの「包括的サービス」、また機械とは関係なく企業の経験・ノウハウを指導し支援する「経営支援サービス」などの新しいサービス事業があり、産業基盤・社会基盤の一部である電気や水等の提供を代行しインフラそのものを提供する例もある。どの資本財分野もサービス事業化がある程度可能である。ハード・サービスの事業全体で売上・利益を確保するにはハードでロックイン(囲い込み)する必要性があり、ハード単独の競争・利益率確保は厳しい。資本財メーカーは高度化した自社製機械をベースに質の高いサービスを提供する形に持ち込む必要があることを示した。 |