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調査研究報告書 詳細

東アジア日系製造業の競争優位戦略の現状と課題

報告書No. H16-2
発行年月 : 平成17年3月



Ⅰ 主要目次

 序章 本調査研究の問題意識
 第1章 東アジアにおけるFTA/EPAの動向と我が国機械産業への影響についての考察
 第2章 電子・電機産業のアジアビジネスの課題と対比
 第3章 在ASEAN日系電機メーカーの競争優位に向けた活動
 第4章 中国自動車産業の動向
 第5章 新たな展開を見せつつあるアセアン自動車産業
 終章 日系製造業企業のアセアンおよび中国における競争優位戦略の再構築

Ⅱ 概要

 これまで我が国機械産業が圧倒的な優位を確保してきた東アジアでは、近年、韓国系企業などの台頭により、苛烈な競争環境となっている。グローバル化と自由化は、これまで、国内や域内市場のみを念頭に置いた戦略を、グローバル競争に勝ち抜くための戦略へと変化させた。これらの状況から、自動車産業と電子・電機産業における東アジア、とりわけ、中国とアセアンにおける日系製造業の現状と今後の競争優位確保に向けた取り組みを探る調査研究を進めた。

 調査の結果、一部に中国シフトの傾向があるものの、景気回復、チャイナリスクなどから、多くの企業は、アセアンと中国両方に軸足をおいた戦略を進めている。とりわけ、東アジアで締結に向け活発な活動が進んでいるFTA/EPAを積極的に活用することが必要で、我が国にとってもFTA/EPA締結は重要であり、今後の日系製造業の競争優位に大きな影響を与える。

その成長性や「中国特需論」などから中国に目が向きがちであるが、日系製造業によって開拓・育成されてきたアセアンは「日本的なやり方」が行いやすく、品質などの面で中国よりも優位にあると思われる。これらを証明するように、アセアンをグローバル拠点として活用する傾向が強まりつつあり、その重要性を拡大させている。市場という面から見てみると、中国の成長性は疑う余地はなく、今後も日系製造業企業にとって重要な市場であることに変わりない。

アセアンでは隣接するインドをいかにして取り込むかという戦略が進んでおり、アセアンとインドとのFTA/EPAが締結された場合、中国に匹敵する巨大市場が出現する。こういった状況から、我が国製造業においては、日本を中心に、中国、アセアンを含み、インド、韓国、台湾といった東アジア全体での戦略をいかに整えるのかが重要な課題であり、これまでより進んだ、東アジアにおける協調・協業体制構築に向けた戦略の再構築の必要性を指摘した。


概要版(pdf)