調査研究報告書 詳細
モノづくり企業におけるCSRへの取り組みとその成果―価値向上のための具体的提案―
報告書No. H17-6
発行年月 : 平成18年3月
Ⅰ 主要目次
要約
序章 本調査研究の概要
第1章 CSRの概要とそれを取り巻く動向
第2章 アンケート調査にみるモノづくり企業のCSRへの取り組み
第3章 ヒアリング調査(事例)にみるモノづくり企業のCSRへの取り組み
第4章 CSRへの取り組みによる成果と企業価値向上に向けて
付属資料(1)
付属資料(2)
Ⅱ 概要
本報告書は、わが国機械関連企業(モノづくり現場)における「社会的責任(CSR)」について、社会との調和のもとで活動している状況を、理念のみならず、それらを実践できる意識改革、体制づくり、事業活動への関与や成果などから検討したものである。
情報化(IT化)やグローバル化の進展、価値観の多様化、環境問題の深刻化、市場のイニシアティブの供給サイドから需要サイドへの移行など社会経済の環境変化に伴い、企業活動はその領域を拡大し複雑化してきているだけでなく、社会に大きな影響を与えてきている。こうした企業活動に対して、ここ数年、CSRが大きな国内外において高まりをみせ、新たな意味でのCSRが求められるとともに、社会的責任投資(SRI)などの企業評価に関する具体的な動きもみられるようになってきた。
そこで、本報告書では、CSRを、企業を取り巻く多様なステークホルダーを社会の中で認識し、それらのニーズや価値観の変化をいち早く先取りするとともに、いかにビジネスに反映させていくかを目指す取り組みとして、あらためて把握した。それに向けた飽くなきイノベーションの継続により、企業活力をもたらし、その成果が企業価値を向上させているような動向(3CI=Consideration/配慮⇒Communication/対話⇒Collaboration/協同⇒Innovation/改革)を明確にするため、当研究所で実施したアンケート調査(「環境や人への配慮〈社会性〉を重視したモノづくり企業の経営に関するアンケート調査」)とそれを深堀りする形でのヒアリング調査をもとに、現場レベルでの現状把握、一時的な流れではなく、長期的な展望のもとでの企業価値向上のための戦略的・具体的方法などを検討した。その結果、中堅・中小の現場レベルでも、短視眼的ではなく、長期的に真剣に取り組むことで企業を活性化させ、企業価値を高め、企業進化の契機となる場合や大きな成果を生むことが明確になった。