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調査研究報告書 詳細

中小製造業におけるエコ・イノベーションの創造と戦略経営の課題

報告書No. H17-4
発行年月 : 平成18年3月



Ⅰ 主要目次

 第Ⅰ部:要約と調査概要

 第Ⅱ部:エコ・イノベーションの創造を促す戦略経営の諸側面
  第1章: 中小企業経営の課題と戦略経営の必要性
  第2章:中小製造業におけるISO14001の有効活用とエコ・イノベーション
  第3章:環境配慮型製品・技術開発を通じた競争優位の構築とその促進要因
  第4章:中小製造業のモノづくりとエコ・イノベーション;中小製造業現状と「イノベーション・ベースのグリーン戦略」
  第5章:中小製造業のエコ・イノベーションを促す人材育成の課題
  第6章:エコ・イノベーションに果たすトップの役割
  第7章:中小製造企業のエコ・イノベーションを促す企業間連携の課題

 第Ⅲ部: 資料編:事例

Ⅲ 概要 

 本調査研究は、平成17年度「中小製造業におけるエコ・イノベーションの実態に関する調査研究」の一環として実施したものである。
 欧州のRoHS指令に代表される環境規制の強化などもあり、地球環境問題の経営への影響は大企業から中小企業へと波及してきている。厳しい経済環境に直面し、経営資源にも乏しい中小企業が、環境配慮を遂行するためには、経営上の何らかの工夫や創造性の発揮が求められる。厳しい経済環境の中、環境配慮と経済性を両立するためには、エコ・イノベーションを創造することで、環境問題への受身的な環境対応から予応的な対応ができるようになる。さらに、それが中小企業の経営能力の向上、競争優位の獲得につながっていくのではないかと推測される。
 このような問題意識のもと、本調査研究の目的として、①中小製造業を取り巻く環境対応の現状把握及び②中小製造業におけるエコ・イノベーション創造への取り組みと課題の解明、という2つを設定している。調査研究方法としては、ヒアリング調査(中小企業6社、大手企業2社)を実施し、定性的な実態を把握するよう努めた。
 その結果、中小企業の環境戦略は反応型環境配慮戦略→予測型グリーン戦略→イノベーション・ベースのグリーン戦略という3つの段階を漸進的にたどること。このようなステージを向上するために必要な戦略経営のあり方として、ISO14001認証規格の弾力的な運用による組織学習の促進、個人の意識転換と行動変容を達成するための環境教育の必要性、環境配慮の製品開発におけるマネジメントの工夫、エコ・イノベーションの牽引者としてのトップのリーダーシップの必要性、外部との連携・強力(グリーン・アライアンス)の必要性といった点が明らかにされた。