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調査研究報告書 詳細

自動車産業のエレクトロニクス化の現状とその方向性―デジタル技術・製品への対応とその環境変化―

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報告書No. H18-3
発行年月 : 平成19年3月



【主要目次】

序章 本調査研究の問題意識
第1章 自動車メーカーのエレクトロニクス対応とその方向性
第2章 進展する自動車と電機・電子産業の融合
第3章 サプライヤーのエレクトロニクス対応と競争環境
第4章 カーエレクトロニクス事業の動向と今後の展開
     ― M&A、提携等を活用した次世代自動車をめぐる競争と協調の構造 ―
第5章 自動車産業のエレクトロニクス化と企業間関係の変化
第6章 自動車産業における生産システムのエレクトロニクス化
終章 自動車産業におけるエレクトロニクス化の現状と将来

【概要】 

 エレクトロニクス化の進展に連動してこれからの自動車開発においては、開発のアウトソーシングの範囲が拡大していくことになる。そこに、自動車メーカーと部品メーカーとの間の取引関係が転換する可能性があり、自動車メーカーとしては、自社内外で保有する技術や知識動向の把握とそれらの組み合わせによる活用能力が問われていくことになる。また、自動車と電機・電子産業の融合が進んでいる。その中で、電機・電子メーカーの側からの車載用部品への取組の強化がなされている。その中、エネルギー効率の改善と車載ソフトウェア開発の効率化は自動車業界だけでは開発が困難であり、そこで自動車と電機・電子産業の間にこれまで以上の協業の可能性がある。これに関連して、電機メーカーをも巻き込んだ新しい動向を生み出しつつある。特に、次世代カーエレクトロニクス技術は、これまでの自動車メーカーや系列カーエレクトロニクスメーカーだけでは対応できない領域を生み出し、従来のグループ経営の枠を超えて、総合電機メーカーや総合家電メーカーと連携する動きがでている。一方で、部品調達システムの変化、企業間連携の強化、エレクトロニクスメーカーによる自動車部品市場への参入が進み、自動車部品市場の競争の構図は一変しつつある。
 自動車を産み出し市場へと送り込む仕組みに焦点を当て、エレクトロニクス化との関係を論じている。まず、自動車の製品開発プロセスに3次元CADを効率的に使用することにより、自動車メーカーは、開発リードタイムを短縮化し、競争力向上に努めてきたが、ソリッド・モデラー型のCADが一般的になるにつれ、ソフトウェア自体が複雑・巨大化し、それが日本の自動車メーカーのチーム型開発体制との相性が合うのかどうかという指摘もなされた。さらに、NC→FMS→FA→CIMという流れで進展している設備エレクトロニクス化、生産管理面におけるエレクトロニクス化について論及がなされ、これまでに積み重ねてきた生産システムの構造やあり方がエレクトロニクス化によって一気に陳腐化するという将来は想定しにくいと結論づけられている。