ホーム > 経済研究所 > 報告書・その他刊行物 > 調査研究報告書 年度一覧 > 調査研究報告書 年度別一覧 > 調査研究報告書 詳細

調査研究報告書 詳細

グローバル・サプライチェーンの進展とモノづくり企業の環境経営戦略

H19-4_GlobalSupplyChain.jpg

報告書No. H19-4
発行年月 : 平成20年3月



【主要目次】

序章 本調査研究の狙い

第1章 モノづくり企業を取り巻く環境規制の経緯

第2章 グローバル・サプライチェーンと環境経営の多角的検討

第3章 各種業界における環境経営の促進状況―主要業界を対象にしたアンケート調査に基づいて

第4章 大手モノづくり企業の環境経営

第5章 中堅・中小モノづくり企業の環境経営の実態― ヒアリング調査に基づいて

第6章 グローバル・サプライチェーンとモノづくり企業の環境経営戦略

【概要】 

 本調査研究では、環境問題や国際的な広がりをみせる環境規制への日本のモノづくり企業の対応状況を踏まえながら、調査研究の主要目的として「グローバル・サプライチェーンの進展に対応したモノづくり企業の環境経営戦略の実態把握及び提言の整理」を設定している。

 現在では、上記のような環境問題、欧州版RoHS指令やREACHといった環境規制に対して企業規模(経営資源の大きさ)を問わず対応が必須とされている。しかしながら企業の事業展開の段階によってサプライチェーンのあり方は異なり、さらには環境経営への取り組み状況にも違いが生じているものと推察される。そこで本調査研究においては、グローバル・サプライチェーンと環境経営の多角的検討を戦略的購買・調達のグローバル化、モノづくり企業の部品調達、中小企業、素材・部品調達、企業倫理及びCSR、の5つの視点からの考察内容について報告している。加えて、グローバル・サプライチェーンと環境経営への対応状況においてモノづくり企業が所属する産業セクター及び業種特性の違い、企業の規模による違いがあると仮定し、モノづくり産業に係る団体を対象にアンケート調査「モノづくり産業に係る主要業界の環境経営の促進状況に関する調査」を実施し、そこから得られたファインディングスについて分析を行っている。また、環境経営への取り組みが進む大企業の動向を先行研究、発表資料等からまとめ、企業内のみではなく、企業を取り巻く全関係者を巻き込むためのイニシアティブが大企業に求められることを指摘した。一方で、環境経営への取り組みが大企業と比して遅いとされる中堅・中小企業に対してヒアリング調査を行い、環境経営に非常に積極的な中堅・中小企業を事例としてまとめている。そこで事例調査から析出された環境経営に積極的な中堅・中小企業の特質について、主要取引先にとって重要なパートナー企業であること、経営者の環境経営の理解と実践における徹底さ、独自の環境管理システムの構築、環境推進委員会等の設置と「見える化」の実践、認証取得を自社の戦略的ツールとして捉える、エコアクション21の活用による環境経営の理解と意識づけ、の6点を指摘した。

 最後に、アンケート調査やヒアリング調査から得られたファインディングスより、行政機関・公的機関に対する提言として、中小零細企業の環境経営のサポート強化、化学成分分析・グリーン調達用システム等の支援、グローバル・サプライチェーンに必要な情報の提供、の3点を提示している。