ホーム > 経済研究所 > 報告書・その他刊行物 > 調査研究報告書 年度一覧 > 調査研究報告書 年度別一覧 > 調査研究報告書 詳細

調査研究報告書 詳細

世界との調和を求められる機械産業の輸入の現状と課題

報告書No. H3−3
発行年月 : 平成4年5月



Ⅰ 主要目次
 第Ⅰ部 世界との調和を求められる機械産業
  第1章 機械産業における輸入への期待とその背景
  第2章 日本の製品輸入の構造
 第Ⅱ部 主要機械産業における世界的な事業展開と輸入
  第3章 工作機械産業の発展と輸入工作機械の変化
  第4章 自動車産業貿易の近況と今後の展望自動車産業の輸入の展望
  第5章 家電産業の構造変化と輸入の現状
  第6章 半導体産業における日本の優位性と輸入促進の可能性
 第Ⅲ部 日本の輸入促進への期待と将来展望
  第7章 欧米との協調関係を模素する日本機械産業
  第8章 アジアヘの海外直接投資と日本向け機械輸出
  第9章 機械企業における輸入の現状と課題-「機械企業に関するアンケート調査」結果
  第10章 輸入障壁と輸入の将来展望
 補論:日本機械産業の海外展開の特徴-対日市場開放・輸入促進の背景について

Ⅱ 要約
 複雑化する摩擦を背景に、1985年プラザ合意以降の急激な円高は、貿易立国を主導する機械産業が海外事業を大きく見直す契機となり、その後の輸入全体の急増と相まって貿易黒字の減少をもたらしてきた。ところが1991年になると再ぴ貿易黒字の増大傾向が明らかになり、そのため従来から指摘されてきた輸入促進のための環境の整備が急がれる一方、とりわけ日本の輸出の3/4を占める機械産業に対して、貿易バランスを改善するための輸入拡大が個別企業レベルでも課題として要請されることになった。
 そこで本報告書では、第Ⅰ部で輸入が要請されるにいたった背景、機械輸入全体の動向を明らかにするとともに、第Ⅱ部で主要産業の現状、必ずしも輸入が順調に進まない背景を検討している。第Ⅲ部では、欧米、アジアの両地域からの輸入について日本との関わりの現状を検討し、機械企業の輸入への取り組みの実態についてのアンケート調査結果を報告している。その上で輸入についての国際比較、障壁にふれ輸入の将来展望、そのために必要な環境整備について言及している。
 本調査を通じて、欧米企業との従来からの専門分野での関係、特にアジアとの企業内分業の進展などを基本としながら、国際協調を模索して輸入に努力している機械企業の現状が明らかになった。そこでの問題の根底には輸入が直面する「現在の日本の仕組み」が果たして国際的に合理的なのかどうか、つまり「国際化とは何か」について考察している。