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調査研究報告書 詳細

輸入の増大にみる機械産業の国際化とその影響

報告書No. H9-4
発行年月 : 平成10年5月



Ⅰ 主要目次
第1章 機械産業の国際展開とその影響
第2章 輸入を中心とする日本の機械貿易と直接投資
第3章 日本の機械産業にみる対アジア投資と対アジア輸入
第4章 パソコン産業にみるグローバル競争と海外調達戦略
第5章 輸入が産業に与える影響 - 米国80年代のケース -
第6章 日本の技術貿易の現状と機械産業の課題
第7章 まとめにかえて:機械産業における輸入の意味    
Ⅱ 概要
 機械産業の海外生産が大きく進展する一方で、最近の円安傾向下においても機械輸入が増加しており、特にアジアからの輸入が目立つ。そこで、日本の機械輸入の動向と、アジアを中心とする国際分業、グローバル調達の進展について把握し、1980年代以降貿易赤字が急増している米国の機械貿易の推移と最近の活況との関係について調査することによって、基本的に輸出主導型の成長を持続してきた日本の機械産業が、機械輸入の増大という状況にあっても活力を持続・成長することが可能かどうか、検証を行うこととした。事例調査として成長分野でありかつ輸入が急増しているパソコンをとりあげ、また日本の技術貿易、特にソフトウェア貿易についても検討した。
 その結果、機械輸入はこの10年ほどの間に3.8倍と急増した。特にアジアからの輸入は、米国からの輸入に匹敵するまでに伸びており、海外直接投資に関連する輸入(逆輸入)が急増していると推計される。米国の機械貿易では、80年以降急速に輸入超過の機械製品が増え赤字が拡大した。海外直接投資に関わる貿易でも輸出超過から最近は輸入超過になっている。米国の機械産業について機械貿易を中心に調査した結果、輸入の多寡だけでは産業活力は影響されるといえないことが明らかになった。当然ながら当該産業が世界を主導できる技術開発力、生産技術力、経営力を確保できているか、また国際分業や国際調達を活用しているかなどによることがわかった。その点、日本の機械産業の技術貿易は従来の輸入超過から次第にバランスする方向で推移しているが、特にソフトウェア貿易では米国からの圧倒的な輸入超過であることが懸念されることを指摘した。