調査研究報告書 詳細
リソグラフィ体系転換前の半導体装置技術における橋渡し危機―半導体と製造装置の産業競争力に必要な後方基盤の取組―
報告書No. H10-9
発行年月 : 平成11年5月
Ⅰ 主要目次 | |
第1編 | 半導体産業における微細化装置開発促進の必要と政府政策 |
1. | 半導体・同製造装置の産業競争力低迷と微細化装置開発促進 |
1) | 問題と背景 |
2) | システムLSI競争力の“後方戦略”としての微細化装置開発促進 |
2. | 米欧における産業界と政府のダイナミズム |
1) | 「国際セマテック」と「半導体技術ロードマップ」 |
2) | 産業界のダイナミズムと技術開発「有限責任事業組合(LLC)」の活用 |
3) | 再び変容し始めた政府政策―半導体技術開発に限定して― |
3. | 提言:業界および政府において急がれる微細化装置開発促進 |
第2編 | 次世代微細化装置の産業技術強化に必要な開発リソース・分担 |
Part I : F2リソグラフィの産業技術 | |
Part Ⅱ: 次世代フォトマスク周辺装置の産業技術 |
Ⅱ 概要 半導体および同製造装置産業はわが国が誇るべき将来も有望な産業であるが、現在、競争力低下に苦しみ、システムLSI中心態勢への転換途上にある。その際、設計等が前衛的問題であるならば、微細化技術はシステムLSIを民生品にも普及させて世界市場を開拓していくための後方戦略テクノロジーである。よってまずは半導体企業が、次世代微細化装置への世界平均的なアクセスを確保すべく、既存コンソシアムを改革し、アクセス確保のための支援につき旗幟を鮮明にする必要がある。ほかにも半導体企業は、自社・関連会社が抱える競争力なき装置事業の見直しを進める必要がある。国も発想転換が求められる。21世紀には各政府が、“互いに特長ある技術方式で競い合いながら”“結果的に技術進歩促進を協調負担するプロジェクト政策”が不可欠となる。米欧政府は、産業競争力強化を目標として、企業の共同技術開発有限責任事業合(LLC)等を支援し、わが国企業が外国装置にアクセスするのは後れが必至である。だが現在の国の開発委託プロジェクト制度は比較的近い将来の産業競争力に向いていない。他方、今やSematech等世界が次世代技術開発でわが国に協力を求めてきている。しかし政府は、わが国業界がそれに応え得るための開発実態を準備することにつき、効果的な支援策を採れないでいる。有限責任事業組合等における企業の共同技術開発支出に対して、国のマッチングファンド補助が必要と考えられる。具体的には次世代の微細化装置の開発支援につき、その方式が適用されるべきと考えられる。 |