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過去の事例 詳細

御巣鷹山への日航ジャンボ機の墜落

【管理不良、手順の不遵守、不注意、検討不足による事例:しっかり管理、審査することが大切です!!】


1985年8月12日、JAL123便羽田発大阪行B-747型機が離陸後、高度7,200mで後部圧力隔壁の破壊と、それに伴って生じた油圧制御装置、垂直尾翼の破壊により制御不能となりました。約30分間の迷走飛行の後、群馬県上野村の御巣鷹山に墜落しました。乗員乗客520名が死亡する航空機事故としては最悪なものとなりました。

事故の第一原因は、機体後部圧力隔壁の修理ミスによる破壊で(図1参照)、大量の高速空気が機内から流出し、(1)油圧制御装置、(2)補助エンジン、(3)垂直尾翼を破壊したことです。

さらに第二原因として、4系統ある油圧制御配管を集中制御している単一な油圧制御装置が破壊されたため制御不能になったことです。

第一原因に対しては、管理不良、手順の不遵守、不注意が考えられます →現場からの指摘、提案等をマネージメントできる組織作りが大切です。

第二原因に対しては、検討不足が考えられます →設計の初期の段階で要求を確実に設計条件として明記すべきです。→当ホームページの「機械製品に対する安全要求と設計方法」の「(第5回)安全設計-冗長系分離設計-」を適用することが必要です。


図1 機体後部圧力隔壁の破壊による故障の伝播
(破壊の順序(1)→(2)→(3))
(出典:失敗知識データベース、 http://www.sozogaku.com/fkd/ )